SP床版ジャッキダウン工法

はじめに

「SP床版ジャッキダウン工法」は、従来の方法に比べてジャッキアップダウン量を90%以上低減できます。したがって、プレキャストPC版への橋軸方向のプレストレス導入を簡単に行うことができます。 また、プレキャストPC版の接合構造と施工方法を簡素化することにより、現場作業の単純化・省力化を図りました。さらに、プレストレスの効果により、接合強度と疲労耐久性も向上します。
以上の結果、プレキャスト床版のトータルコストを縮減できます。

SP床版:Sequential Prestressed Precast Slab(逐次プレストレスト・プレキャスト床版)

特長

(1)従来の方法に比べてジャッキアップダウン量を90%以上低減
(2)現場配筋作業が不要
(3)品質の安定化、工期短縮、施工費縮減
(4)小さなクリープ・乾燥収縮
(5)プレキャストPC版の接合強度と疲労耐久性が向上
(6)接合強度や疲労耐久性は実験で検証済

連続桁橋の中間支点上の床版コンクリートには、主桁作用により引張応力が生じます。これに対処するための方策として、橋軸方向にプレストレスを導入する方法がありますが、その方法は下記の3つに分類されます。

(1)ジャッキダウンによるプレストレスの導入
(2)PC鋼線によるプレストレスの導入
(3)上記の(1)と(2)を併用する方法

しかし、近年、橋梁の多径間連続化に伴い、下記のような問題が生じています。

(1)ジャッキダウンの量が大きくなり、作業の安全性や経済性が低下する。
(2)橋長が長くなるとPC鋼線の挿入が困難で、摩擦によるプレストレスの損失も大きくなるので、作業性や経済性が低下する。

「SP床版ジャッキダウン工法」は、従来のように全ての中間支点を同時にジャッキダウンするのではなく、次頁の図に示すように、橋梁の一方の端部、あるいは両端部から中央部に向け、逐次、(1)ジャッキアップ、(2)床版の施工、(3)ジャッキダウン、を繰返し進めていきます。
このような手順で施工することにより、ジャッキアップダウン量を大幅(90%以上)に低減することができます。したがって、作業の安全性や経済性が向上します。とくに、多径間連続桁橋に適用すると、非常に大きな効果が得られます。
また、理論どおりのプレストレスが導入されることを、実験により検証しています。

ジャッキダウン量の試算例

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