鋼トラスウエブ複合橋

鋼トラスウエブ複合橋について

鋼トラスウエブ複合橋とは、鋼トラス部材から直接上下のコンクリート床版に力が伝達される構造であり、その特徴は、

1.上部工の軽量化が図れる。
2.支間長の長大化に対応できる。
3.設計の自由度が大きい。
4.製作・架設の省力化が図れる。
5.景観設計が可能になる。

などにある。

鋼トラスウエブ複合橋形式において、上下床版とトラス材が結合される格点部は、鋼部材とコンクリート部材が一体化されるとともに、応力伝達が行われる重要な部位である。そこで、二面ガセット格点構造を考案し、その構造特性を評価するための実験と解析を実施した。

二面ガセット格点構造の特長

角形鋼管の場合

PBL(孔あき鋼板ジベル、Perfobond Leisten(独)):鋼板にあけた円孔部内のコンクリートのせん断抵抗を耐荷力機構とする、1980年代後半ドイツのLeonhardtらによって提案された構造。

格点構造の設計

下図のようなモデルにて解析を行い、斜材軸線と床版軸線の交点を結んだ“梁部”に生じる断面力を使用し、格点構造を設計する。

※なお、床版軸線と格点中心(添接中心)の偏心による『付加曲げモーメント』の影響を考慮する。

格点構造弾塑性有限変位解析

解析モデル

解析結果

コンクリートの応力分布

ガセットプレートのコンター図

格点構造耐荷力実験
実験の目的
  1. 格点部の構造特性の把握
  2. 終局耐力の確認
  3. 破壊性状の把握
設計の条件
  1. 鋼管は実橋換算設計軸力としてNd=4,000kN程度を想定する。
  2. 実験装置の容量等を考慮し、供試体の縮尺は1/2とする。
  3. トラス材には鋼管φ216.3mm、t=12.7mm、材質STK490の鋼管を用いる。
  4. 鋼管は許容応力度設計法により軸力と曲げモーメントを受ける部材として設計する。
  5. 格点部は許容応力度設計法により鋼管と同等以上の安全率を有するように設計する。
供試体概要図

供試体の種類
TYPE1-1
充填コンクリートあり
ボルト総本数44本
TYPE1-2
充填コンクリートなし
ボルト総本数44本
TYPE2
充填コンクリートあり
ボルト総本数36本
実験供試体
実験結果
  • TYPE 1-2 ひび割れ発生荷重
    P=1,200kN(設計荷重 x 1.74)

  • TYPE 1-2 載荷荷重
    P=2,800kN(最大荷重)

  • TYPE 2 ひび割れ発生荷重
    P=1,500kN(設計荷重 x 2.18)

  • TYPE 2 載荷荷重
    P=3,200kN(最大荷重)

二面ガセット格点構造の耐荷力特性

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